調理科学とは?

「調理科学」とは何ですか?

「調理科学」は、料理のおいしさを科学的に分析し、解明します

料理ができあがるまでの過程は、サイエンスであふれています。

食材を煮る・焼くなどの調理は、ミクロの世界で考えると、
食材の成分を化学変化させていることにほかならないからです。

料理のおいしさを科学的に分析し、

  • 人はどうしてそれをおいしいと感じるのか
    (成分や食感からのアプローチ)
  • 食材の成分をどのように変化させたら
    おいしくなるのか
  • そのためには、どのような方法で調理するのが
    ベストなのか  etc.

を解明するのが、「調理科学」です。

「調理科学」で、何ができる?

「調理科学」は、料理の疑問や悩みを解決し、日々の料理をさらにおいしくします

料理をしていて、ふと、
「ゆで卵の殻が、たまにきれいにむけないことがあるのはどうして?」
「から揚げの衣は、小麦粉と片栗粉で、どのような違いがあるの?」
という疑問を持ったことはありませんか?

ほかにも、
「てんぷらの衣をカラッとサクサクに揚げたい」
「スポンジケーキをふわっと、しっとり焼き上げたい」
のように、料理をもっと美味しくしたいと思った時、どうしていますか?

「調理科学」は、料理の「コツ」を「理論に基づいて」科学的な視点から裏付けし、
よりわかりやすく確かなものにしてくれます。
一つ一つの調理操作にどんな意味があるのかを知ると、
的確な方法で料理を進めることができるようになります。
毎日の料理は確実にレベルアップしていき、料理がもっとおもしろくなります。

「調理科学」で、料理をおいしくするコツをご紹介します

天ぷらの衣をカラッとサクサクに揚げるコツ

天ぷらの衣は、カラッとサクサクに揚げたいですね。でも家庭で揚げると、ベタッと油っぽくなってしまう。

その原因は、揚げ油よりも、衣であることがほとんどです。

ポイントは、衣に粘りが出ないように作ることです。

天ぷらの衣をカラッとサクサクに揚げるコツは3つ!

  • 1.薄力粉を使う

    小麦粉は薄力粉を使う。
    ※薄力粉の中でも、タンパク質の量が少ないものを、袋の表示を見て選ぶとさらによい。

  • 2.衣の材料は冷蔵庫で冷やしておく

    衣に使う小麦粉・卵・水(氷水)は、冷蔵庫で冷やしておく。
    ※ボウルも冷やすとさらによい。

  • 3.衣は混ぜすぎない

    衣を混ぜるときには、ダマが少し残るくらいにして、決して混ぜすぎない。

3つのコツは、衣に粘りを出さないようにするテクニック。

衣の粘りがサクサクに揚げる事と、どのように関係するのか、
科学的な理由を分かりやすく解説します。

天ぷらの衣をカラッとサクサクに揚げるコツの科学的解説

Q.衣に粘りが出てしまう原因は何?A.小麦粉に水を加えて混ぜるとできるグルテンが原因です。

小麦粉に水を加え、混ぜると、小麦粉に含まれる特有のタンパク質が、グルテンという粘りと弾力がある物質に変わります。

グルテンは、衣の中に網目状に広がり、それによって衣に粘りが出ます。

著書『科学でわかるお菓子の「なぜ?」』p239より引用 長尾:1989(手打ちうどんの横断面を走査型電子顕微鏡にて倍率730倍で撮影)
Q.衣に粘りが出ると、なぜサクサクに揚がらないのか?A.衣に粘りが出ると、グルテンの網目が邪魔になって、衣に水分が残り、べたついてしまうからです。

衣を高温の油で揚げると、衣の中に分散している水分が蒸発して揚げ油のほうへ出ていきます。

揚げ油に入れた瞬間に、衣の周りの揚げ油に泡が出てパチパチいうのがその現象です。

そして、水分がなくなったスペースに高温の油が入り込んで、衣を中からも油で加熱することで、サクサクの衣ができます。

衣に粘りが出ると、衣の中にはりめぐらされたグルテンの網目が邪魔になって、この「水分と油の交換」がスムーズに起こらず、衣に水分が残ってべたついてしまいます。
また、グルテンの網目は、加熱されるとかたく固まるので、衣にかたさが出てしまいます。

えびのてんぷら
Q.グルテンを作り出さないためには?A.上記で紹介した3つのコツが、グルテンを作り出さない方法です。
  • 1.薄力粉を使う
    小麦粉

    小麦粉は薄力粉を使う。

    ※薄力粉は、強力粉、中力粉よりもタンパク質が少ない。
    さらに、薄力粉の中でも、タンパク質の量が少ないものを、袋の表示を見て選ぶとよい。

    小麦粉は、グルテンのもとになるタンパク質の量が少ないものを選ぶ。

  • 2.衣の材料は冷蔵庫で冷やしておく
    冷蔵庫

    衣に使う小麦粉・卵・水(氷水)は、冷蔵庫で冷やしておく。

    ※ボウルも冷やすとさらによい。

    グルテンは低温ではできにくくなるので、小麦粉・卵・水を冷やしておく。

  • 3.衣は混ぜすぎない
    衣

    衣を混ぜるときには、ダマが少し残るくらいにして、決して混ぜすぎない。

    グルテンは衣を混ぜる回数が多いほどたくさんできるので、混ぜるのは最低限にとどめる。

いかがでしたか?
料理のコツには、科学的な理由があるのです。

今までのように「どうしてか分からないけど、おいしくなるって聞いたから」と料理し、
「なぜか分からないけど今回はうまくいった」とか
「いつもと同じようにしたのに、今日はおいしくない・・・」
というような、行き当たりばったりの料理は卒業しませんか?

料理のなぜの理由を学べば、自分や家族の好みに合わせた料理をいつも同じように作れます。

「調理科学」を用いて、新しい発想の料理を生み出す、料理の新時代

科学の実験室で使われていた実験手法が、今や調理場に持ち込まれて、料理を作る「道具」として使われています。

そして、今までにはなかった発想で、経験したことがない味や食感を与える、新感覚の料理が生み出されています。

「調理科学」を使った新感覚料理をご紹介

  • -196℃で瞬間冷凍

    新感覚のアイスクリーム

    液体窒素を用いて、-196℃で瞬間冷凍。これまでの技術では出すことができない、新しい食感とパフォーマンスを料理に与えることができます。

    たとえば、お客さんの目の前で、驚きの歓声が上がる、新食感のアイスクリームを提供できます。

    まず、ボウルにアイスクリームのもとになるクリームを入れます。そこに、液体窒素を注ぐと、気化して、ボウルが真っ白な霧で覆われます。すかさずクリームを混ぜると、一瞬にしてアイスクリームができ上がるのです。

    通常の作り方のように完全に凍るまでに時間がかかると、アイスクリームの中に氷の粒ができてしまうのですが、このように瞬間的に凍らせると氷の粒ができません。そのため、食べたことのないようななめらかで繊細な口どけのアイスクリームになります。

  • トマトのエアー

    新感覚のトマト

    トマトジュースを、泡で食べる料理です。

    今まで液体でしか味わったこがないトマトジュースが不思議な食感に変化すると、新しい香りや味わいが感じられます。

    ▶ トマトのエアーについて

  • 彩り野菜のカプセル Sféricas

    新感覚の野菜

    レンゲに乗った球状のカプセルを一口でいただくと、薄い膜がはじけて、野菜のピュレの味と香りが口に広がります。

    ▶ 彩り野菜のカプセルについて

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